源ノ明朝 (Source Han Serif), 源ノ角ゴシック (Source Han Sans) はAdobeとGoogleが作成したCJKフォントで, オープンソースフォントとして公開されています (ライセンスはSIL Open Source License 1.1).
以下では, LuaTeXエンジンでこのフォントを (日本語で) 使用する方法を説明します. あるいは, otfファイルがダウンロードできれば, どのようなフォントにも適用可能です (PDFにフォント埋め込みすることに関してライセンスに注意が必要ですが). Windows10を前提としますが, 他の環境 (Linux/Mac) でもほぼ同じ方法で導入できるんじゃないでしょうか. 使用したのはTeX Live 2016 (LuaTeX-0.95) です.
本題: 源ノ明朝/源ノ角ゴシックのLuaLaTeXへの導入
(1) OTFファイルをダウンロードします: GitHub (1), (2) を開き, Region-specific Subset OTFsの欄にあるJapanをクリックするとzipファイルがダウンロードされます. 合計60MB.
(2) 上記zipファイルを任意の場所で展開して, その中に含まれるotfファイルを例えば
C:\texlive\texmf-local\fonts\opentype\adobe\sourcehanserifjp
C:\texlive\texmf-local\fonts\opentype\adobe\sourcehansansjp
にコピーします.
(3) [省略可能] 管理者権限でコマンドプロンプトを立ち上げて mktexlsr を実行します. (これは例えばCortanaで「cmd」または「コマンドプロンプト」と検索し, 右クリックメニューの「管理者として実行」を選択すればよいです. 念のため.)
(4) コマンドプロンプト (以下管理者権限は不要) で
luaotfload-tool --update
を実行します. これにより源ノ明朝/源ノ角ゴシックがLuaTeXで使用可能になります. そのことは, 例えば
luaotfload-tool --find="sourcehanserifjp"
luaotfload-tool --find="sourcehansansjp"
というコマンドによりチェックできます.
(5) 源ノ明朝/源ノ角ゴシックを使用したいTeXファイルにおいて, 和文フォント指定部分を
\usepackage[no-math]{luatexja-fontspec}
\setmainjfont{SourceHanSerifJP}
\setsansjfont{SourceHanSansJP}
\ltjsetparameter{jacharrange={-2}}
と書き直します (最終行は非ASCII文字がすべて和文と解釈されるのを防ぐためのものです).
あとは普通にlualatex (またはluajitlatex) で処理すれば源ノ明朝/源ノ角ゴシックを使用したPDFが生成されます.
感想
XITSフォントとの組み合わせとしてはIPAexフォントよりも源ノ明朝/源ノ角ゴシックの方がバランスが良いと思います. この点が当初のモチベーションだったので大満足です.
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